診療コラム

詳細)虫歯の発生について

虫歯の発生についての詳細

虫歯の発生について

歯ブラシを一生懸命やっていても虫歯や歯周病になってしまうという人は沢山います。
逆にそうでないけれど全然歯科疾患に罹らない人も存在します。
このことは、汚れや細菌以外に何か虫歯にさせる因子が存在していると考えざるを得ません。

歯は、ひとりでに悪くなるわけではありません。
環境によって悪くさせられてしまうものです。
悪い影響のことを"ストレス"といいますが、歯にとってのストレスは細菌、過剰な力、甘い物の三つが挙げられます。
そしてそのストレスと戦っているのが体の免疫力、洗浄力、自浄力、そして、その動員数を決める血液循環力です。

この攻撃側と防御側の戦いの最前線上に"歯""歯肉"が置かれているのですが、その歪のなかで傷んだものが虫歯や歯肉の病気ととらえることができます。

口腔内には自浄作用があります。
唾液や、歯と歯茎の間から染み出る体液(浸出液)は、細菌や細菌の出す酸または毒素を希釈あるいは洗い流してくれますが、その毒素自体を消す成分も入っています。
当然、これは多いほうが良いのですが、これらは血液から搾り出されてくるもので、血液循環の潤沢な人のほうが唾液や浸出液の生成に有利になります。

また機械的に歯の表面を綺麗にしていく現象として、咀嚼による食べ物の流れ、歯と歯の接触による研磨ということがあります。
咀嚼により、食べ物が歯の表面を"擦り"、"流れ"、咬み合わせの面から歯と歯の間、歯と歯茎の表面を走っていきます。

歯は咀嚼をする時0.1mmくらいは簡単に揺らぐのですが、歯と隣の歯の間はこの歯同士の揺らぎによる接触によって研磨され汚れは吹き飛ばされて行きます。

と同時にこのリズミカルな揺らぎは歯周辺の組織に圧の変化を呼び、血液循環も促進され先の洗浄力も向上し、栄養、酸素の供給、免疫力の増加により歯茎はどんどん元気になります。

このように咀嚼行為は消化という側面以外に、歯が綺麗で健康にになるという大きな効用を持っています。

*咀嚼の詳細はこちら

虫歯は歯に出来た小さな傷から始まるという説があります。
この傷は過剰な力によって出来るのですが、歯と歯の過激な接触や、強い力によって曲げられた表面劣化などから起こります。

これは、くいしばりや歯軋り、極端に硬い物の嗜好によるところが多いのです。
事実、この応力の発生する場所は先に示した虫歯の好発部位とほぼ一致しています。
そして、この傾向は身体的、精神的ストレスが増加すると始まります。

歯の表面の小さな傷に、甘いものが満たされてくると量がわずかな細菌でも、それを摂取し激しく酸を産生し歯は溶けます。虫歯の始まりです。
甘いものを食べる、口にする時というのは、その甘みを堪能し余韻を楽しむ一定の時間があることとセットになっていることがほとんどでしょう。
疲労やストレスで、にわかに甘いものを摂るようになって虫歯が急増することは良くあることです。

「急に虫歯が増えたな、」という方の中には心当たりがあるのではないでしょうか。

虫歯の治療は、結果として出来た壊れた部分の"つくろい"なのですが、本当に治すということは、歯ブラシをはじめ、全身的な健康を実現するために、皆さんの生活習慣を少しずつでも補正していくことをお願いすることなのです。
 
そしてこのことは歯だけでなく全身のあらゆる部分の健康に寄与することに通じるものでもあります。

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