診療コラム

妊娠、出産時の注意点

妊娠、出産時の注意点

"おめでた"の方へのご注意

女性の方には人生の中で3度のホルモンの嵐に見舞われるのですが、その最たるものが御懐妊です。妊娠、出産、産後の肥立を通した約16ヶ月の神経系、ホルモン系、身体系、生活系の激変を上手くやり過ごすことが大切です。
口の変化はこのすべての要素が影響してきます。
代表的な点についてお話してみます。

1)体重、姿勢の変化

この期間の体重の増減は大変なものです。
これは主に腹部を中心とした変化のため、体形、姿勢は特有のものになります。
体重が増えると咬み合わせの力、接触頻度は増加します。
しかも本来の方向とは違った方向へ向かいます。
この状況は歯にはストレスとなり傷みの大きな原因になります。
姿勢もお腹が出てきますから、背中が反ってきます。
これは顎が引けて奥歯の当たりが強く出てしまうスタイルとなります。
このように顎の変化、咬み合わせは激動しますので、歯そのものにダメージを与えないようにするためには食事以外の時に出来るだけ歯の接触を避けるようにすることが必要です。

2) 免疫代謝、虫歯、歯周病

胎児を養うための体となっていきますので、基本的には免疫力は向上します。
しかし、この力は自律神経に影響を受けるものです。
ですから交感神経、副交感神経とのバランスを取ることが必要になります。
具体的には規則正しい生活(生活振幅の維持、位相の維持)を行なうことが大切になります。

免疫力や代謝の反応にも波が出るので歯肉炎や消化器にも変化が出やすくなります。
食の嗜好に関しても変動していくのですが、なんと言っても甘いもののマイブームは要注意です。
上記の歯列の変化で歯に傷、ストレスが掛かっている場合が多いので速やかな虫歯の進行に繋がってしまいます。

赤ちゃんが大きくなってお菓子を一緒に食べだすときも要注意です。
ちなみに赤ちゃんにはあまり早期に甘い味を覚えさせないほうが好ましいですよ。
一旦覚えた快感(甘味)を取り上げるのは至難の業です。

3) 産後の注意

お産を完了すると多少にかかわらず骨盤に変化が起こります。
骨盤の変化は脊柱を介して頭部、咬み合わせに影響を及ぼします。
出来るだけ本来の状態に戻すため"腹帯"の使用(半年位)をお勧めします。
妊娠中はお腹の赤ちゃんを支えるために背中の筋肉が発達してしまいます。
強い腰椎彎曲はこの結果です。

これを回復させるためには以下のような注意が有効です。

1.体の前面で重いものを持たないようにし、背筋を活性化させない
2."抱っこ"より"おんぶ"で移動する
3."抱っこ"のときは下半身で受ける
4."横寝"より"仰向け寝"を心がける
5."ハイヒールはやめる"
6.特殊なスポーツを避ける"
7.過食禁止
8.体重増加注意
9.湯船で”体育座り”のポーズで背中を伸ばす

など、体の反りを消すような工夫が必要です。
これらは体調の改善と共に、歯列、咬み合わせの安定にとても有効です。

4) 神経系

妊娠によりホルモンの変化が起こります。
このホルモンの管制塔は大脳の視床下部にありますが、その近くには情緒の管理エリアがあります。
このホルモンのバランスが平静に戻るまでは、周りは静かに見守ることが肝要です。
極普通の生活、静かな生活を心がけましょう。
情緒不安定は、歯列にもっとも悪い”くいしばり”を呼び起こします。

おかあさんは偉大です。

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