診療コラム

修復材の選定について

修復材の選定について

修復材の選定について

かぶせ物、つめものの素材の選択の要点は、以下に示す通りです。

1)物理的特性(硬さ、強さ、精度、経年変化、生体との同調性)
2)審美性(白い歯、金属色、光沢、着色性)
3)経済性

審美的なセラミックは綺麗で光沢もあり、かつ非常に硬い材料なのですが、それがために相対する天然の歯を摩滅させたり、咬み合わせの衝撃に対して破折してしまうという脆弱な面があります。
強い咬み合わせの力を発揮する方では咀嚼の衝撃が、硬い素材を通過して接着剤や、歯、歯周組織へ波及し脱離、虫歯や歯周病の引き金になっていくことも厳密にはあります。

しかしこの弱点も、咬み合わせの強くない人に選定したり、力の出ない場所への選定、あるいは欠点を小さくするような組み合わせ(実質的に見える所への適応、あるいは部分的に組み合わせる)をすることで、機能的でありながら、綺麗で自然な審美性を維持することは可能です。

精神医学や社会医学の見地からは審美性は重要ではありますが、純粋に身体医学としては物理的な特性を注視する必要があります。

現在さまざまな材料開発は行なわれていますが、まだまだ全条件をみたす素材は見つかっておりません。

ただし、現段階で、一つだけいえることは、もし全く審美性を無視することが出来るのであれば、あるいは機能性を最優先しなければならない場合には、高カラットの金合金がいまのところ理想的な材質とは言えます。

つまり機能的で経年的な変化も、身体に対する馴染みも、安全性も、審美的なこと以外のすべての条件ですぐれていると言うことになります。

しかし審美性は別次元の観念により非常に重要であり、金属の使用は十分なる検討が必要であることは言うでもありません。

そもそもかぶせ物を入れなければならない歯というのはダメージを受けやすい場所にあったわけです。しかもすでに歯の一部が無くなったり神経を失ったりしたハンディキャップを持ってしまった状態であるわけです。
そういう状況にはそれを補う許容度のある素材を選定していくのが好ましいといえます。
それは大きな力の揺らぎの存在(ダメージ)を想定し受け入れようとすることであり、金合金の柔らかく強い(展延性)表面が衝撃を吸収し、自ら変形して、力学的ストレスを深部(セメント、歯牙、歯周組織)まで波及させないように食い止めてくれるわけです。

そして、自らの変形をすることで必要な接触点が形成され、当然咬み合わせには有利となります。
工学的に説明が難しいのですが、この変形も、ある一定量を越えなければそこまでの変形はそれ以上には経時的に進行しないようです。
長もちする理由はここにあります。

基本的には力の出るところは物性優先、見えるところは審美性優先と考えて良いかと思われます。(つまり、奥歯寄りは力を、前歯寄りは見た目を、ということ。)

経済性の問題は重要です。状況にあわせて充分相談し、ベストの治療を受けて下さい。
そうして、人工物の下に包まれている、かけがえの無い歯から始まる身体のパーツを大切にしていきましょう。
そのためには将来の取替えを想定した治療というのも選択肢としてよいと思われます。

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