診療コラム

顎の変化

顎の変化

顎の位置を良好に維持するために

歯の接触というのは上顎と下顎の衝突によって発現します。
通常は下顎が上顎(頭部)に向かってぶつかるのですが、この現象には開口した状態、つまり下顎がぶら下がった状態が前提としてあります。
そして、このぶら下がっている下顎の位置変化は基本的には引き上げている筋肉のバランスによってもたらされます。

ぶら下がっている下顎の位置が変化しますと、そのまま引き上げられてしまい、上顎の歯列にぶつかった時に、本来の接触に対し偏った当たり方をしてきます。
この状態が、いわゆる咬み合わせの変化というものです。
たとえて言うと、ピッチャーマウンドが左右にズレたとして、でもピッチャーはいつものように投げてしまうとストライクゾーンがずれてしまうと言ったとこです。

顎の位置の変化にともなって接触強さの増加した歯には様々な障害が発生します。
歯の破折、知覚過敏、歯の揺れ、咬み合わせたときの痛み、根の先の病気の発現、歯肉の炎症、腫れ、など様々な歯の病気の影の犯人、引き金になっていることが多いものです。

下顎の位置の変化ですから関節の位置関係も影響を受けてしまい、顎の病気、顎関節症の原因ともなります。

では何故、顎の位置、すなわち顎周辺の筋肉バランスは変化してくるのでしょうか?
全身の筋肉は足の先から頭まで様々な中継点を持ちながら連携しています。

ですから全身のあらゆる変化が頭部にまで伝達され変化してしまう可能性があるわけです。

それには、以下のようなものが挙げられます。

1) 姿勢
重力に真っ直ぐ抵抗し、左右前後に偏らない重心の姿勢が好ましいです。

2) 運動
激しいスポーツや疲労は筋肉バランスが変化します。正しいバランスにさせる運動の代表は"歩行(30分×2回/1日)"です。

3) メンタル
"脱力"や"ハリキリ"で筋バランスは可変、頭位の変化が顕著。

4) 骨格、靭帯の問題
骨格、靭帯の異常をおぎなうように筋肉の緊張が発動します。

5) 全身の健康状態
生活のリズム(睡眠時間、食事の時間や量)や体重変化などが影響します。

6) 手術や怪我
連携している筋肉の中断、患部をかばうための筋緊張の偏在の発生。

7) 歯列と筋肉の不一致
本来歯列と全身の力の連携は調和されているものです。その状態に不一致が与えられると、代償的な筋の緊張によってアンバランスが起こります。

8)食事の仕方
カサのある物、硬い物の傾向摂食や、急いで食べ咀嚼回数が少なくなると下顎は後ろにさがって行きます。

余談ですが、骨格というのは先に示した筋肉の中継点(都合よく運動するための支点)を効果的に働かせるために後から出来てきたものなのです。
ですから骨格のない動物は沢山いますが、筋肉の無い高等動物はおりません。
しかも、中枢からの指令(神経出力)は筋肉でしか受けることが出来ず、筋肉は中枢と直結している存在なんです。

骨格構造というものは非常に理解しやすいのですが、あくまで目安として利用し、注目すべきは筋肉なのです。
顎の位置というのは、筋肉の使い方、すなわち生活習慣で、いかようにもなるわけです。

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