診療コラム

詳細)硬いものの摂取について

硬いものについての詳細

硬いものについて

硬い食品摂取は、発育成長が盛んな青年期(男性18歳、女性15歳まで)には、顎を育ててくれるという側面があるのですが、それでも、実際に良い体を形成するためには咀嚼の回数をいかに多くするかということのほうが重要なポイントになっているものです。

とくに日本人は穀物を充分咀嚼していくという食生活の歴史があります。
西洋人と東洋人の唾液中の酵素の違いが証の一つです(西洋人の唾液には東洋人が持つでんぷん分解酵素がありません)。

成長が完了した成人の方は、硬い食品を傾向的に摂ることは歯や周囲器官には大きな負担がかかります。

硬いものを食べる時はやや縦に顎の関節を支点に頭に向かって、ドアが閉まるように動くのですが、こうしないと強い力は出ません。
そのとき頭部の安定を得るために首を緊張させ体との連結固定を強く行う必要が出てきます。

その場合、図に示すように首の中ほどに力が集中してきます。
これが継続していくと、頚椎の劣化とともに頚椎内部の延髄での感覚センサーが損なわれます。
さらに傷んだ首の骨を支えるために筋肉の緊張が起こり、肩、首のコリも起こります。
持続的な垂直力による物理的劣化と、咬み応えの感覚センサーが鈍くなることにより、硬い物を咬むことがどんどん平気になり、硬い物好きが促進され、歯の壊れるスピードは加速度的に速くなり負のスパイラルが始まっていきます。

日本人は顎を左右にグルグルと何度もまわすような連続的な咀嚼運動が安全で良い咬み方なのです(お米のご飯を食べる時の食べ方です)。同じ咀嚼効率を得るための力は縦に咬む
食べ方は回す食べ方より64倍も大きく出てしまい、受圧する歯や骨のダメージはその分大きくなってしまします。

壮年期になると、なんとなく激しい運動や、交差点でのダッシュを避けてしまうのも、体が知っているということなのでしょう。硬い物咀嚼も同じです。
壮年期以降、加齢とともに骨や靭帯は刻々と変化して、(リンク http://www.med.kyushu-u.ac.jp/nano/lec4.htm)その性質を変えていってしまいます。

高齢になるほど、この注意は必要となります。

”硬いものを咬むと顎が鍛えられる”というのは、まるで”うさぎ跳びで体を鍛えるぞ!”というのに似ていますね。
”激しい重労働”が体を健康にしていくとは、ちょっと言えませんよね。
 
実際の患者さんを数多く診させていただくと、口腔内の傷みが多い方は「硬いものが大好き!!」という方が思いのほか多いものです。

そしてそうゆう方が、アドバイス(硬いものを少しだけひかえましょうね)を聞いて頂き実践されるとすみやかな症状の消退や崩壊のスピードの停止傾向を得ることができます。
これは理屈でなく事実です。

正しく丁寧に使っていくということは、道具を傷めず長持ちさせていくための王道です。
歯科医は受け皿である歯列のお手入れをさせていただことが仕事ですが、同時に皆さんが適正な力、使い方を認識、実践していただくということも歯の健康維持にとても大切なことです。

もちろん、硬いものでも咬もうと思えば咬めるようにしていきます。
でも、長持ちさせようとなると、やはり大切な注意点なのです。

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