診療コラム

審美的な治療について

審美的な治療について

審美的な治療について

本物の歯の色と見紛うようなかぶせ物は心理的に大きな自信に繋がります。
歯の色や形態、歯並びの視覚的な改変を行うのは意味のある大切な処置です。
しかし、それには無くてはならない条件があります。

*咬みあわせの項目でお話したように、道具である歯における機能の要件を保持しなくてはいけません。この機能の意味は様々に解釈されていますが、本人の快適性に表れることが多いものです。これは客観的には把握しにくいのが特徴ですが、だからこそ細やかな対話が必要になります。
奥歯と前歯の関係性は重要であり、相互に影響し合うので、それぞれの変更処置には許容範囲があります。様々な視点から前歯の形態(審美性、長さ、角度、接触位置等)決定して行く事が必要になります。
歯は、勝手に生えて、勝手に今の位置に収まっているわけではありません。

たとえば上の顎の前歯などは、覆いかぶさっている上唇や舌が押す力、それに咀嚼や咬み締めで発生する下前歯の咬み合せの力によって前後的な位置や傾斜が決ってくるのです。

もし審美歯科と称して、その上前歯の位置も傾斜も大々的に変更を企てる時は余程の注意が必要となります。

引っ込んだ歯を前に出せば唇が、前に出てる歯を引っ込めると、咬み合わせや舌の力が、その位置変更と争うことがあります。

こうう視点を持つことは、咀嚼という機能の低下や、そうでない時の窮屈さ、上記の格闘による歯のダメージから逃れるためにとても大切なルールです。

素材の選択肢
1.オールセラミックー写真
2.金属セラミックー写真
3.樹脂セラミック(ハイブリッド)―写真

が歯の色を復元できる素材として選択できます。

 

=図示=
オールセラミック 金属セラミック 樹脂セラミック(ハイブリッド)
オールセラミック 金属セラミック 樹脂セラミック(ハイブリッド)

 

処置が完了してからも、人間の体は変化を続けていきますから、初期設定の要件も相互に 変化します。その中には不利益な変化もありますので、それを定期的にリセットしていかなければいけません。これは定期健診の重要なチェック項目になっています。

この変化をある程度、吸収取り込みが期待できるのが実は金合金です。

展延性といいますが、加わった力に対して追従するような形状の変化を示すという特性があり、これがクラウン使用中に見込めるため、多少の変化に対しては自動的にアジャストされていきます。これが最大のメリットです。

このような効果を、より硬く脆弱なセラミック素材に期待することはできません。

したがって、適正で必要かつ十分な咬み合わせ(天然の自前の歯の接触と同じように、多ければ多く少なければそれなりに)の接触をセラミックに与えるためには、さらに精密な咬み合わせの調製が必要になることは容易に想像していただけると思います。

クラウンや義歯、咬み合わせ、さらには審美を取り扱う分野を補綴歯科といいますが、歯の機能、力学、審美という要素の意味を明確に理解した上での処置により、快適で長持ちし、かつ美しい口腔を得ていただけるのです。

補綴専門医の責務は重大と認識しております。

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