診療コラム

よく咬むということ

よく咬むということ

咀嚼の重要性

良く咬む事は様々な効用があります。

ここでは、咀嚼による神経システムと血液循環の関係を主体にご説明します。
体の末端の毛細血管での血圧は心臓から押し出される圧(いわゆる血圧)の1/800に減弱します。この毛細血管の循環は末梢の組織が動くことでの圧変化によるところが多いものです。

高血圧の治療に歩行指導があるのは、歩行によって循環を促し、心臓での負担を減らすというメカニズムなのですが、このことは、どの組織においても同様であり、体は使わないと循環が滞り衰えていくという現象の傍証でもあります。
充分な咀嚼をするということにも同じことが言えます。

ただし充分な咀嚼とは咀嚼回数が多いということであり、硬いものを激しく咬み砕くことではありません。
通常の食材を回数良く咬む(一口30回以上)ということが大切です。

これはマラソンよりウォーキングが安全で健康に寄与することと同じで、ちょうど車でも、楽器でも、機械でも、使いすぎると壊れるし、また、程ほどに使わないと調子が悪くなるのと似ています。
特に中高年の方々には重要な体の使い方のコツでしょう。

リズムカルで継続的な咀嚼により顎回りの筋肉は律動して血液を呼び、さらには歯と骨の間にある歯根膜と呼ばれるクッションの圧変化により歯の周りにまで充分な循環が行なわれてきます。

当然、血液から作り出される浸出液や唾液は分泌量が増大してきます。
歯の周りでは、雪国での道路上には凍結、積雪しないように、小さな噴水がチョロチョロ出ているのをご存知かと思いますが、そんなシステムの働きも活発にしてくれるのです。

もちろんいくら咀嚼を良くしても体全体の血液循環が悪ければ効果は半減ですね。
歩行などの適正な運動や正しい生活によって血液循環の良くなった体からでないと、首周りへの十分な血のめぐりは来てくれません。

また唾液や浸出液には殺菌や免疫機能も含まれていますが、その能力は血液の質(免疫力)によっても左右されます。
量と質が大切です。

免疫力の強さや種類は、生活の中の状態で左右されますが、具体的な要素としては、食事、食事の量や規則性、睡眠の量と規則性、体の姿勢体温の維持、運動、適度な緊迫感とリラックスのバランス、精神的な積極性が挙げられます。

精神と免疫の関係はすでに充分検証されています。

たとえば、やる気の出ている積極的な気分の時は良く働くし、いろいろに興味も強く、食事だって、しっかり良く咬んで味わって摂りたくなりますね。
良く咬むからそんなに量を食べなくてもいいし、それにこれからやるべき楽しみに。
気が向きますから食欲に執着しません。

元気で動きまわりますから血液循環もよく唾液もでますし、そうゆう時は免疫力も盛んになります。これはまさに善循環ということになりますね。
どうやって、この回転にうまくもって行くかが、どの医療の分野でも最終的に目標にされることなのです。
実は、歯周病はこの関係が滞ってしまった結果、発現してくるという側面があります。

このように、このシステムは人間として行うべき行動(多咀嚼や多歩行等)を遂行するときに、始めて機能してくれて健康は維持されていきます。

本当に体は良く出来ています。
というか、そうゆう行動をするべく人体というものは出来てきたというのが本当のところでしょうが。
良く咬む事を忘れてはいけません。

追記ですが、「良く咬まなくても丈夫な胃液で消化するから、、」とよく耳にしますが胃液はもともと大量の食餌を胃袋内で腐敗させないためにあるものですから、唾液の中のアミラーゼ、プチアリンの作用を充分効かせたいものです。
胃粘膜の劣化も抑制されますし。

だけども、どういうわけだか、体にいいことよりも悪いことの方がお酒にしても、スイーツにしても、爆食にしても、ゴロゴロ日曜や夜更かしにしても、楽しく美味しいことが多いものなのですね。

人生は楽しむものなのですが、そこんところがなかなか難しいですね。
まあ、ホドホドに、バランスよく、というところでしょうか。

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